そしてブージへ 2019.12.5

カッチ地方へ向かう列車は深夜1時45分にアメダバッドを出る
ホームには駅員らしい人の姿はない
自分はどの車両に乗れるのか?

ホームで待っている間に1本急行列車が入線し、そして出て行った。長い長い車両だ。前の方は比較的よさそうな車両が連なる。ホームにいるのも富裕層っぽい。ということは、私が乗るのはずっと後ろの方の普通車両、自由席なのだろうと思った。

そちらに移動。ベンチが空いたので座って待つ。しばらくすると隣に英語の出来そうな兄さんが来たので、チケットを見せて、
どの車両に乗れるのか、知ってたら教えて
と訊いてみる。
すると

あなたが乗れるのは貨物車だよ

だって!

そこに列車が入ってきた。兄さんは

今教えるよ、ほらこれだ、ここなら乗っていいんだよ!

と。列車はさっきとは逆で、前方に安いチケットの車両があるようだった。延々と横を通過していく車両を追いかけて、一番前まで走る。すっかり出遅れた、これでは席がないかも。そもそも席なんかあるのか貨物車に。

先頭の貨物車に着くと、そこには座席らしいものがある。でもここに乗っていいのか。
またまた兄さん2人登場してきて、チケットを見せるとここだと言う。乗り込んで、席を探す。2つのコンパートメントに既に人が横たわっている。網棚にも、座席の下の床にも、男性が寝ている。車両を教えてくれた兄さんが、そこに座れと言ってくれた。寝ていた子供がぴょこんと起きる。その横に1人は座れる。

                  なんとか座れた

夫は荷物棚みたいな一応上段ベッドを確保できた。なぜここが空いていたのかは、横になった時にちょうどお尻がくるようなつまりど真ん中の板が抜け落ちているからだった。上の写真はその穴から撮ったもの。

                 穴を避けて寝てみたり

               網棚も通路も人の寝場所だ

つまりこれが、ジェネラルという席なのだった。
てっきり自由席みたいな感じで車両があるのだろうと思ったのだが、ジェネラルに割り当てられた席は貨物の横のほんの数十。よく席があったものだ、幸運だった。

列車は闇の中をひた走る

ブージまで350キロほどだと駅の人が言っていた。平均時速60キロなら6時間。もう少し出せれば5時間も可能かも。列車は飛ばすことは飛ばすのだが、駅が近づくと極端にノロノロになり、そのノロノロ時間がかなり長い。うーん5時間は無理か。頼む何とか5時間でお願いします。

何せ板の上である。急ブレーキでもかけられたら転がり落ちる。ひっきりなしに鳴らされる警笛がうるさく、振り回されるような揺れで、眠れるはずもない。隣の子供はいつの間にかまた横になって寝ている。車窓の外は闇だ。トイレもあるのかどうなのか、こんな車両だからないかも。駅に止まったら走って行くしかないのか。それともその辺でしちゃってるのかな、特に男性は。

7時には着きますように。350キロ5時間、何とかいける気はするのだ。

そんなつましくも切なる希いが叶えられるはずはなく、やがて夜が明けた。

             大きな駅なのか、貨物が下ろされる

自分は貨物車の中のスペースにいるのだと改めてわかる。

                 人が寝ていた網棚

朝7時過ぎに着いた駅で人が大勢降りたので、椅子が空いた。                  やっと座れた

床で寝ていた人が起きてきて、次がブージだ、9時着だと教えてくれる。紛れ込んできた外国人にも敵意を向けることなくしょうがないなと居させてくれたよい人たちだった。

                 これが乗ってた車両

       LUGGAGE CAR まさに貨物車だ、奥の窓の辺りに少しだけ席がある

ブージにブジ到着

9時15分くらいにブージに着いた。長い移動だった。                 カッチスーパーファスト?

                   駅前の雑踏

                   オートだらけ

駅を出るとオートやらタクシーやらの客引きに囲まれる。インドあるある。
ネットで探しておいた宿に向かうことにする。地図もないからまずは宿を確保して、それからSIMを手に入れよう。オートは80ルピー。まこんなもんかな、駅からだから。

           オートの運転手おっちゃん、ポーズ決めてくれた

宿は幸い空いていて、ほとんど考えずに決める。1泊500ルピー、WIFIは別途100ルピー必要。
シャワーは水なので、お湯をバケツに溜めて水浴び。少し寝る。

宿の人にSIMカードどこで買えるかな、と訊いたら、宿出て右折したらバザールがあるからそこで買えるよとのこと。行ってみるが行けども行けどもそんな店はない。服とかサンダルとか野菜とかそういうものしか売っていない。ずいぶん歩いてやっとモバイルという看板の店を発見したが、SIMはない。ボーダーホンのオフィスに行かなければならないようだ。遠そうだったのでオートで行く。
オフィスではスタッフが全てやってくれた。アクティベートとやらを自分でしなければならず、長いときは半日とか1日とか開通までかかるとネットで見ていたのだが、スタッフの兄さんの手にかかればあっという間だった。

無事にヒトになれた。

ネットが通じれば地図とか見られるし。オフラインで見られるはずのMAPS.MEがなぜか今回使えずに困っていた。よかった。

                チャイ、10ルピーなり

それにしてもブージ、食べ物屋が殆ど見当たらない。人に聞くと教えてくれるが、これがいやに遠い。道を訊いたおじさんお勧めの店にやっとたどり着く。

               なぜかパンジャビターリー

あれほど香辛料は控えるから大丈夫と言われたのに悶絶の辛さ。もうインド人の言う辛くないは信じないぞ。


日本人と知った店主が見せてくれた著名な布研究者さんの本

宿に帰るのに迷いまくり、訊きまくり、最後に訊いた屋台の人が小僧さんを案内に出してくれて、曲道まで連れて行ってもらった。小僧さんにジュースが買えるくらいのお礼。街の人はみな親切で明るい、救われる。