今日はポンドゥルのカディ作りを見学に行く
ここはもうインドでも極めて少なくなったピュアカディの里
どんな美しいものが見られるだろう
いざ、カディの聖地ポンドゥルへ
世に聖地は様々あれど、今日行くのはカディの聖地である。
朝8時過ぎのバスに乗り、ポンドゥルに向かう。スリカクランのバス駅は大きめだったが、朝早いせいもあるのかあまり人がおらず、いてもバスに殺到するわけではなく、雰囲気はよかった。
昨日来た道なのでだいたい時間は読めるが、途中少し渋滞したり、人の乗り降りで時間がかかってやきもきした。ポンドゥルへはちょうど1時間で到着した。
少し早く着いたのでお茶でも飲もうかと近くをぶらつく。上の写真奥にある雑貨屋でチャイを飲んだ。1杯5ルピー、紙コップが小さいとはいえ今回最安値。今は大体どこでも10で統一されている。
9時15分から待ち始め、昨日の担当者が顔を出したのが10時頃。その後「5分だけ待って」と言って消えた後、再び現れたはいいが「1時間だけ待って」・・・
この時点ですでに10時半だ。こちらが勝手に押しかけているので不満は言えないが、一応今日はアポがあって来ているのにー。インドインド。
その1時間、待っているよりは町を歩いてみようと思い、その旨告げてから出かけた。
いきなり綿を見つけてしまう
歩き出してほんの1分ほど。小さな路地を入ってみた。日の当たるところに老女が座っており、娘さんと思われる人がその人の口に何か入れて食べさせている。ふむ、介護が必要なお年寄りなのだね、と通り過ぎようとした時、老女の手元にある綿を見つけた。
奥さんは簡単にほいほいーっと紡いでみせるが、実はこれは本当に難しい技術。私などはまったく出来ないだろうと思う。以前タイでやってみたが、出来なかった。
案内してもらわずに、のっけから核心部分を見せてもらえた。この手紡ぎの工程を、今インドでもやる場所がほぼなくなりつつあり、ポンドゥルのそれはピュア・カディと呼ばれて珍重されているそうだ。
歩き出すと近所の人が。
全員がいとへんというわけではなく、金属系の仕事の人もいとへん部落の中にいる。なかなか面白い。特に繊維に関連する部品などでもなく、指輪を作っていた。
織りの場所にも出会う
「織っている場所はないですか?」と人に訊くと、あっちだこっちだと教えてくれる、みな親切だ。
2軒のお宅にお邪魔して織りを見せてもらい、チャイまでごちそうになってそこを辞す。
なんかもう見ちゃったね、と言いながらセンターに戻ると、担当氏が待ち構えていて、「では行きましょう」と再び見学スタート。
さらにポンドゥルを見る
魚のあご!
かなり大きな魚なのだろうか。そしてこれは歯なのか? 細かいギザギザした部分を使って、いちばん最初に綿花からごみなどを取り除く工程で使われるらしい。
日本でも、布団や座布団の綿の打ち直しをする。その時の道具は知らないが、ネパールではよく大きな弓を持った人が「打ち直し~打ち直し~」と歩いている。今もそうかはわからないが。
こちらのお宅でもチャイをごちそうになる。
ありがとうございます。
気が遠くなりそうだ。1枚織るのにどれくらいかかるのか。
ポンドゥルにはこうして2日がかりで出かけ、村の様子など見ることができた。
一緒に回ってレクチャーしてくれた担当の方と、村の皆さんに心から感謝。
カルダモンの効いたチャイ、美味しかったな。
実はここポンドゥルにはあまり期待していなかった。見つけられるかどうかの自信がゼロに近かったのだ。
行ってみたら小さな村で、誰もがカディのことを知っており、訊ね当てるのも思ったより容易だった。
最後に生地を少し求めて、ポンドゥルを後にした。
たくさんの人に技術を見せてもらった。引率者がいてもいなくても、誰も物を売ろうとしない。糸を紡ぐ人はもちろん製品を持っていないのでもあるのだろうが。
マンガラギリでも感じたことだが、この2か所の人たちは、見てもらうことが本当に嬉しいのではないかと思った。礼などいらない、見てくれ、写真を撮ってくれ。そういう空気がバンバン出ているのをどちらでも感じた。
もちろん、見に行くのであれば、十分に礼を尽くしてほしい。敬意を払い、邪魔にならぬよう、気を付けてほしい。チャイや水を出されたら遠慮なく飲んでほしい。もしも買ってほしそうだったら、ぜひ購入してほしい。そう思う。
お邪魔した場所ではどこも、買ってほしそうに布や糸を見せられることがなかったので、最後にセンターに戻り、直営のショップで生地を求めた。もったいなくてもしかしたら一生使えないかもしれないが・・・。
スリカクランへ戻る
スリカクランへ戻るバスは、どこか遠くから来てポンドゥルに寄る。だから来た時点でほぼ満席。何とか潜り込み、途中の集落で人が下りて、座ることができた。
途中、たくさんの乗り降りがある。隣に座っていた人に、神様のブロマイドみたいなものをもらった。何であるかわからないが・・・。
町に戻ってごはん、当然ミールス。ご飯が白ではなく、サフランライスでもない、ちょっと不思議な色と香りと味のものだった。
その色のついたご飯を食べると、白いご飯が登場してどか盛りされる。おばちゃんも笑っている。
こういう日常の些細なことが楽しいな。
本日の移動 ポンドゥル往復 バス70ルピー 本日の宿 ホテルA 1800ルピー 昼夜ごはん 160ルピー
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