ポンドゥルそしてスリカクランへ 2020.01.06

19-20インドからラオス陸路の旅

本日の移動は100キロと少し、時間にして3時間半ほどの予定だ
ポンドゥルという名の町に行く
知る人ぞ知るカディの聖地、のはずだが、果たして・・・

 

ローカル列車でヴィシャカパトナムからポンドゥルへ

朝8時台のパッセンジャー(近郊列車)に乗ろうと思っていたのに、前夜咳で眠れず、やっと眠ったと思ったら寝過ごした。
仕方ないので次の11時40分発に乗ることに。

オット氏が昨日歩いている時に、列車のゼネラルオフィスのようなものがあった、と言うので、早めに出てそこに行ってみることに。
8日のコルカタ行き、WLのままびくとも動かないのである。
これで乗れなかったらほんとに怨むわスリカラハスティの駅員!
4800ルピーも出して買ったTATKALのチケットが、2800ルピーのSLのWLチケットにすり替わってしまったのだ。本当に職業意識が低すぎて嫌だ。その場さえうまく丸め込めれば、後は野となれ山となれ。どうせ1000キロ以上の距離を、「乗れなかったじゃないか」と文句を言いに帰ってくるわけがない。そう考えているであろうことが見え見えだ。だから嫌になる。

結局、オットが見たのはただのブッキングオフィスで、何の進展もなかった。がっくり。

30分以上前に駅に着いたのに、すでに席はかなり埋まっているというか占拠されている。4人並ぶところも横になっていれば座るのはちょっと。
それでも歩いて席を確保した。

インド列車

懐かしい網棚、最初に乗ったのはこのクラスだったのだな

因みにパッセンジャーは日本だと高崎線普通列車みたいなもの。予約はできないと思う。ゼネラルの車両で、早い者勝ち。

インド列車

立つ人もいるくらいの混雑ぶり

列車は20分ほどの遅れでポンドゥルに着いた。かなりの人が降りそうだ。2分しかないから降り損なわないようにしないと。

ポンドゥル

到着直後のホームの様子

ポンドゥル駅

何の騒ぎなのか、降りる人乗る人大騒ぎしている

後ろでは殴り合いまで始まっていたそうだ。何をそんなに争っているのか。よくわからない。

ポンドゥル駅

いつもこんな感じですぜと犬

さて、ポンドゥル。
情報の少なさで言えば、今回最もなんの情報もないのはここだと思う。
カディが有名、それもごくごく薄いカディの産地。ガンジーさんが激賞した布らしい。今も手紡ぎしている希少な地。
その程度のことしかわからない。
グーグルマップにも何もない。ホテルのマークもない。booking.comでもホテルが出てこない。

それでも・・・。

商人宿のようなものくらいはあるだろうと思っていた。なんたって列車駅があるのである。どんなド田舎でも、列車があるというのはそれなりの大きさの町なのであろう。行けばあるはず。そう踏んでいたのだが。

ポンドゥル駅

駅のこっち側は林が広がるだけ

ポンドゥル駅

駅前、うーん微妙な感じ

ただ正直、マンガラギリよりはオートや車が見えて大きな町に見えた。だから町に行けば宿は見つかるだろうと、ここに至ってなお思っていたのだが。

ポンドゥル駅

この駅に降り立った外国人は果たして開業以来何人いるだろう

 

ポンドゥルには宿はない

駅の人に訊いてみるが、宿はないと言う。
まあインド人の言うことは当てにならんからな。ほかの人にも訊いてみよう。

「ポンドゥルにはいかなるアコモデーションもありませんよ」

英語の出来る人にそう言われてしまった。
がーん、宿がない。
乗ってきた列車はすでに行ってしまった。
ということは、次の列車まで待つか、バスなどで宿のある町まで行かないとならない。
いや本当にないのか?
実はあったりするんじゃ?

ポンドゥル到着

駅からのオートは大きな三差路のようなところで終わる。そこは後でわかったが、幹線道路に面したところで、そこからポンドゥルの町方向、スリカクラン方向へのバスに乗ることができる。町へはそのままオートに乗るのが早い。

「ところで一体何をしにポンドゥルへ?」
と英語のできる人に訊かれ、
「カディを見に、カディを作っているところを見に来ました」
と答える。
「なるほどなるほど」と、その人はオートの運転手に何やら説明し、オートもわかったと。20ルピーだと。
この時点でかすかな疑念、また店に連れていかれるんじゃ・・・、とは思ったが、店なら店でそこで訊けばいいので、オートに乗ることにする。

本当に親切な人にいつも助けられている。

オートが停まったのは、果たしてカディショップの前だった。やっぱり・・・。
店の中に入ってみるが、ちょうど混雑しており誰にも話が聞けない。困ったな。
いったん店を出て、向かいの暇そうな人に「カディを織っている場所に行きたいのですが」と訊いてみると、
「そこだよ、その店の横、そこに行くといいよ」
言われて見上げると、何やら大きな看板が出ている。店の横に門のようなものがあり、その奥に建物が見える。
半信半疑でそこに行ってみる。何人もの人をたらいまわし状態で巡り、最後に連れていいかれたのがここ。

ポンドゥル

紡いだ糸を持ってきて収める場所らしい

ポンドゥル

紡いで束にした糸をここで計量、帳簿に記録をしていく

ここの責任者が、私のような見学者をさばく役目も兼ねているらしい。ちょっと待ってて、案内してあげると言われたはいいが、次から次へと人が糸を持ってくるので、どうにかなるとも思えなくなってきた。

「ところでガイドもいないの? どうやってこの場所を知ったの?」
「ガイドはいません。カディのことを調べていて、ガンジー氏が激賞したカディがここにあると知って、町に来てみました。あとは町の人がここを教えてくれて」
「はあ、紹介者もいないということだね?」
「はい・・・」
「それは困ったね」
と言いながらふと我々の荷物に目を止めた責任者氏。
「どこに泊まっているの?」
「実は列車で直接ポンドゥルに来て、駅からここに来て、宿はないらしく、これからスリカクランまで行って宿を探そうかと」

・・・・・・・・・・・・・?

いやいやいやいやどうもすみませんほんとうに。

ただ、その後の対応はなかなかのものであった。

「ではこうしよう。あなたはまず、セキュレタリーにレターを書かなければならない。なぜここに来たか、何をしたいのか、それを書きなさい。それからセキュレタリーに紹介しよう。その後スリカクランに行き、泊まり、明日また来なさい」
「わかりました」

私の中2レベル英語で何をどう書けばいいのか迷ったが、自分がカディに大変興味を持っていること、ここにはインドでもう消えつつあるピュア・カディがあると知ったのでぜひ見たいと思うこと、などを書き連ね、セキュレタリー氏に話をつけてもらった。セキュレタリー? セクレタリー? 秘書みたいな立場の人なのかな?

紆余曲折はあったが、何とか明日、見学させてもらえることになったのは、訪問から2時間ほど経った頃だったか。
何だかわけがわからないが、何とかなりそうな感じにはなってきた。

 

動力は人、の紡績機が回っていた

敷地内には小さな工場のような建物がある。そこに女性たちが入って行くのを少し前に見ていた。何だろう? 責任者のような人に尋ねると、入って見て行っていいよとのこと。ありがたく入らせてもらう。

ポンドゥル

糸を紡いでいた

ポンドゥル

機械なのだが動力は人間

ポンドゥル

糸が切れると結ぶ

ポンドゥル

手でハンドルを回すことで機械が動く

ポンドゥル

ぐるぐる

ポンドゥル

糸は結構頻繁に切れるものらしい

ポンドゥル

左手でもぐるぐる

皆さん明るくて、写真を撮っていると手は止めないまでも笑顔を向けてくれた。南インドは本当に全体的に明るくて好きだな。

 

スリカクランへ

明日の朝9時半に来なさいと言われ、施設を後にする。
スリカクランはここから20キロほどの場所にある町だ。最終的にコルカタへ行く列車の乗り場がここである。
特に何かがある、あるいは情報があるわけではなく、地図から推察してこのあたりから列車に乗ればいいかと思っただけの町だ。
列車だとほんの15分だが、バスだと小一時間かかるらしい。

 

スリカクランバス駅

到着したスリカクランのバス駅

明日もここからバスで行く予定なので、またもや駅を離れたくない。
学生がたくさんいるので、ホテルないかなと訊くと、右へ行けと皆が言うのでそうする。
歩いて行って、一つ曲がったところに、割と大きめのホテルを発見、訊くと2000ルピーだが、2泊なら10%引くと言うので決める。

SURIKAKURANN

女学生たち

しかしこの町、食べ物屋が極端に少ない。ぐるっと歩いても何もない。
通りかかった人が「何探してるの」と訊いてくれたので、「食べ物・・・」(なんだこの会話)
バス駅に近い方に屋台があると教えてもらい、たどり着いたのがここ。

チャーハン屋

チャーハンと焼きそばで200、ぼられてるのか?

そのへんがわからない。田舎では50という値段もあったフライドライス。ものの値段ってわからないな・・・。

とにかく疲れた、明日は早起きだ。

本日の移動 ヴィシャカパトナムからポンドゥル 列車30ルピー ポンドゥルからスリカクラン バス35ルピー 本日の宿 ホテルA 1800ルピー 夜ごはん 200ルピー

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