フォートコーチンへ移動 2019.12.15

コーチン教会

やっとこたどり着いたコーチン
ツーリストエリアであるフォートコーチンへ移動する
静かな宿でゆっくり寝たい♪

コーチン。
かつて西洋の国により支配された街。いろいろな遺物が残っているらしい。古い教会とか、墓地とか。
街並みも西洋風だったりするのだとか。
教会や墓地には特に興味はないが、ゆっくりできそうなイメージがあるのでとにかくフォートコーチンを目指す。

とはいえ、ウーバーだけど。
オットの風邪も治らないし、私もちょっと風邪気味。
夜行列車の中で扇風機スイッチ争奪戦にしばしば敗れ、強烈な風に当たったことが大きいかと思う。
市内バスなどもあるだろうけれど・・・。ウーバー。

頼むと10分ほどで到着。一度電話が来たが、宿の人に出てもらった。

地図中のルートを通って島になっているフォートコーチンへ。
因みに上の方にあるマークが、昨夜到着した「エルナクラム・タウン」駅。50mの距離にあったのは、「エルナクラム・ジャンクション」駅、通称サウス駅、だそうだ。
グーグルマップで一番不満なのは、鉄道の路線がほぼ無視されていることだ。拡大していくとうっすらと見えるが、ほとんど判別不能なラインの薄さ。マップのせいにするわけでもないが。それにいずれにしても私が乗った列車は、タウン駅にしか停まらないのだ。

ネットで1泊だけ予約したホームステイ先に直接行ってもらう。後ろのトランクにバックパックを入れ、走ること20分ちょっとか、最後は細い細い路地を進んで到着。庭にたくさんの木が生えている家だった。ちょっと鬱蒼としすぎているかな。
フォートコーチンの中心部に近いということで予約した宿だ。ここはホテルやゲストハウスよりもホームステイが多く、選ぶのにも一苦労だった。共用バスルームの宿を避け、値段と場所と考えると自ずとこのエリアになるだろう、という場所になった。

確かに綺麗な部屋だ。裸足で歩いてまったく嫌でない。これはインドでは珍しい。バスルームも然り。ホットシャワーも出るそうだ。
早速洗濯して室内に干す。バックウォーターのツアーなどを勧められたが、今は体調を戻すことを最優先にしたいので様子を見ると言っておいた。宿はさほど混んではいない様子。午後1組、夜中に2組、来る予定らしい。静かな人たちだといい。

町をぶらっと散歩

宿で簡単な地図がもらえたので、早速食事がてら歩きに行ってみる。

うーん、ホームステイの看板はやたらと出ているものの、食べるところがなかなかない。オートがやたらと声をかけてくる。「お話がしたい」って、いやお話はしたくないですよ私は(笑)。町の人にレストランの場所を訊くと、1軒教えてくれたのでそこに向かってみる。

インドポルトガル博物館
インドポルトガル博物館
コーチンの広場
広場でサッカーに興じる人々、今日は日曜日だ

そうして着いたお勧めレストランはなんと冷房付き。値段が高いのはともかく、冷房はアウトだ。エアコンの上に多数の扇風機が全力で回っている。5分と座っていられない。ということでそこを退散し、待ち構えていたオートの餌食となってローカルレストランに連れて行ってもらう。お話を持ち掛けられたがもちろん断る。

そこはツーリスト用のレストランで決してローカルではなかったが、チョウメン(焼きそば)と酢鶏とライスを頼んで

ノー・スパイシー!

と頼むとしっかり辛くないものを作ってくれた。やれやれインドで一番美味いをまた更新したわ。あまりに空腹で疲れていたため、写真を撮るのも忘れて食べた。

いいレストランが見つかったのはよかったが、今泊まっている宿からはちと遠い。
飯屋が近い、というのは旅の宿を決めるうえでのかなり上位にランクされる条件だ。よし、この近くで宿を探してみよう。
食事したのはルーフバルコニーだったので、道が見渡せる。短時間の間に、すぐ先の路地を入っていくツーリストを複数見かけた。うむ、あの路地を入れば宿があるのだろう。行ってみることに。

何軒か見てみようと思ったが、新築工事があちこちで行われており、それのモロ隣は避けたい、とか言っているとどんどん路地を進んでしまい、1軒の宿の前に立つ。ここなら工事の音はさほどうるさくなさそうだ。呼び鈴を押して空きがあるか訊いてみた。

「部屋空いてますか、見せてほしいんだけど」

「予約してる?」

「してないけど」(予約してないとダメなのかな)

「とりあえず入って見て」

ってことで部屋を見せてもらう。バルコニー付きの部屋もあり、明るくていいなと思った。値段を訊くと、予約サイトを通さないという約束で、800のところ600でいいと言う。おお、いいね。値切ってもいないのに値引きしてくれるとは。家族の雰囲気も悪くないので決めることにする。明日来るね、と約束して出た。

グーグルマップ様の言うとおりに細い細い路地を進んで宿に戻る。チベッタンのレストランも見つけた。テントゥク(うどんのようなもの)が食べられるかもしれない、ちょっとうれしくなる。

旅人生で初めて泥棒扱いされる

宿に戻って風邪薬を飲んで寝た。夕方、部屋がノックされて起き、ドアを開けるとここの主人夫婦が立っている。
血相を変えて言うには、今朝我々が乗ってきたウーバーの運転手が、荷物がなくなったと言って来ている。あんたたち、自分のものじゃないものを持ってきたんじゃないの、と。
話がよく飲み込めない。
ウーバー? 荷物? なんのことだ?

「エキストラ・バッグ! エキストラ・バッグ!!!」

と、押出の強い女主人が捲し立てる。

「そんなものないよ」

と言っても、部屋の中まで入ってきて、ベッドの足元に丸まっているザックを触っては

「お前のか?」

もう一つのザックを指差しては

「お前のか?」

当たり前である。なぜツーリストが現地運転手のかばんを持ち去るのだ、そもそも足がつくようなことをなぜするのだ、ウーバーに履歴が残っているのに。

自分のもの以外を持って降りたりはしない、と繰り返してとにかく出て行ってもらう。一体何事だ。

これは新手の詐欺ではないか、とも思った。
昔、中国を旅していた時に聞いたことがある。目の前で誰かが鞄とか財布とかを落とす。親切な旅人,または世間知らずの田舎者は拾ってあげる。相手は喜んで戻ってくるが、
「中身が抜かれている、お前だろう」
と難癖を付けられ、周りには人だかりが出来、田舎者や言葉も出来ない旅人は金銭をゆすり取られてしまう、という話だ。
実際に、財布が落とされるのを見たことはある、自転車の荷台に積んだ白い包みが目の前で落とされた、それも何度もだ。誰かが引っかかるまで撒き続ける撒き餌のようなものか。注意していたので、私自身はそれに巻き込まれたことはない。

運転手は到着時に運転席から離れなかった。私がトランクを開け、自分たちのザックを出し、トランクを閉めた。確かにそこには何かあったように思う、定かではないが、空っぽではなかった。しかし、運転手が私物をトランクに入れておくとか、あるだろうか? あるにしても、心配で客を降ろす時には自分も降りてチェックするのが普通だろう。ましてインドなのだここは。

寝ていたところを急襲されてぼーっとしていたが、その後ムラムラと腹が立ってきた。
明らかに、運転手の荷物がここにある、と確信を持って女主人はノックしたと思う。なぜかはわからないが、決めつけていたと思う。運転手が来て、話を聞いて、彼の言うことを信じたのだろう。
しかし、どう考えても、日本人(それもいい年の夫婦が、だ)が乗ったタクシーに積んであるかばんを持ち去るだろうか? いや、日本人と限定しなくても、年配の夫婦の旅行者が、そういうチンケな犯罪を犯すだろうか。なぜこいつらが犯人だと決めつけて突撃してきたのか不思議だった。

私は本当に長く旅をしているが、泥棒だと疑われたのはこれがほぼ初めてだ。
ほぼ、というのは一度だけ、中国の宿で部屋の備品(便所サンダル)を盗んだと難癖をつけられたことはあるが、あれはまあデポジット欲しさの詐欺でよくある話ではあった。

運転手の荷物は出てきたのだろうか。
本当に彼の荷物は盗まれたのだろうか。
何とも残念な宿であった。1泊だけにしておいてよかった♪ coconuts grove という名の宿で、1泊1310ルピー。朝食付きだが明日移る宿のほぼ倍である。高ければいいというものでもない。

しかし本当に不思議だな。
安い宿ならいくらでも予約サイトにある。その中で、わざわざ中どころの宿を予約してきている客である。それを疑うかね?

いろんなことがあるねえ。でもこれが旅をするということだと、つくづく思う。