何となく移動を決め、バス駅へ
チェンマイまで一気に行くことも可能だが、
プレーという小さな町を挟むことにした
プレーは藍染で有名な町だ。タイで農民服のような位置付けの服、モーホームの産地としてよく知られている。もちろん、天然の藍染ではないものが殆どだ。
悲しいかな、自分が藍染を始めてさらによくわかるようになったのだが、もはや天然藍染などこの世にほとんど存在しない。ゼロではない、念のため。
それでもどんな風にものが作られ、売られているのか見てみようと思った。
これが時限爆弾だった・・・(^^;
バス駅へ行こうとフロントで値段など訊いてみると、1人50バーツとのこと。高いな・・・。
流しをつかまえたほうがいいんじゃないかと思い、出発。
しかし流しのソンテオがまったくいなくて、バス駅まで1.5キロほど歩く羽目になった。暑くてばてた。
案内所で訊くとグリーンバスの窓口を教えられた。すぐ発車する便があり、チケット購入。
乗り込んでみると、前半分がVIPの3列、後ろは普通の4列、というバスだった。何も訊かれなかったが、後方に席があった。プレーまで3時間たらずなので、VIPではないだろうと気を利かせてくれたのだろう。
時限爆弾が作動する
発車後しばらくして、おや・・・、腹に異変が。
気のせいかもしれないと一時は忘れることにしたが、そんな甘くはないのが時限爆弾。どんどん腹痛が酷くなり、ううむ困った。
バスにはトイレが付いている。
でもこのトイレが・・・・・・。
遠い昔、でもないが10年ほど前に、閉まらないドアとカーブと重力に翻弄されたことがある。
またあんなトイレかもしれない、どうしよう・・・。
どうしようとか言っている場合ではなくなり、覚悟を決めてバス後方へ。
1つドアを開けて閉める。倉庫のようになっていて水などが積んである。その一角にトイレがある。
恐ろしく小さな空間だ。山道に入ったらしく大きくうねるバスの中で、なんとかドアを開け中に入り、閉める。
いや、閉まらない・・・・・・!
またかよ・・・・・・!
何でタイのバスのトイレのドアは壊れているのかいつもいつも(2回だが)!
仕方ない。一応後部の人たちは私が後ろに行ったのを見ているから来ないだろうし、前の方にはほとんど人がいなかった。
誰も来ないこと前提で、お仕事開始。
それでもドアを手に持っていないと不安。
カーブの度に前につんのめるか後ろに押し付けられるかのどちらか。
ドアが開く~~~!
ぎゃ~後ろに押される~~~!
の連続技が炸裂する。
山道は終わりそうにない。
この激しく揺れるバスの中での事後処理がまた大変で、ありえない態勢でありえない重力を受けながらいろいろしていたら、すっかり酔った。
トイレがあってよかったが。
トイレのドアが閉まるようにしといてくださらんかグリーンバスさん・・・。
こうしてすっかり車酔いというかめまいの軽いやつ状態になってグロッキーになった私を乗せて、バスはそれでもずいずいと、プレーに向けてひた走って行ったのであった。
プレー到着
プレーには前に一度来たことがある。4年ほど前の3月、ここに藍染を見に来た。その時泊まって一日藍染体験をした工房は少し郊外にあったと記憶している。今回、プレーに行くことはまったく想定していなかったので、住所等のデータがない。残念ながら立ち寄ることはできなかった。
その時はバス駅から歩ける距離の昔ながらのホテル(旅社)に泊まった。ファンで350バーツだった。ただし近くに何もなく、食べるのにも苦労したので、今回は町の中心に近い方に泊まりたいと思った。目星をつけておいた宿にソンテオで向かう。乗合ソンテオはなく(駅を出て街道まで出ればある)、泊まっていたやつで行く。
宿はラックレート1,200。
AGODAでは700くらいだ。そうスマホを見せると、「800でどうですか」と。
アゴダでも税金を入れるとほぼ800になる。違いはほんの十数バーツ。それなら何も中間業者に貢がなくていいだろう。800で泊まることに。
因みにタイのこういった庶民的な店では、水は無料でもらえることが多い。店のどこかにクーラーボックスやウォーターサーバーがあり、その横にコップが並んでいる。氷を入れ、水を入れる。ほとんどがミネラルウォーターだが、稀に「う、水道水か」と思うこともある。
ソンテオをつかまえて、藍染の店がずらりと並ぶ村(集落)へ行ってもらう。市内なのかもしれないがちょっと距離があるので、ソンテオなどで行った方がいい。街道沿いなのでソンテオは流しでも走っている。帰りも待っていればそのうち来るので大丈夫。
昔ながらのモーホームも見かけるが、こういう今風の若者向けだったり、これなら日本でも着られるかなという感じの服も多く売られている。閑散としていたが、いつもこんなものかもしれない。外国人旅行者がそうそう来る町ではないので。
驚いたことが一つ。
せっかく来たので合成藍のTシャツを買った。自分用にだ。これを洗ってみたところ、色が出ないのだ。技術の進歩はすごい、合成藍も色が落ちなくなった、のか。あるいは合成藍ですらない青の染料なのか、どちらかはわからないが。
天然藍のみの染めはもはやこの世に殆どない。残念ながらそれが事実で、そしてまあそれ自体は仕方がないこと、時代の趨勢のようなものだと思っている。
一番わかりやすく言えば、天然藍のみの染めは、割に合わないのだ。割に合わせようとすればどんどん高額になる。そんな高いもの、あなた買いますか、という話。では高ければ本物かと言えばそれもまた違うわけで・・・。
多くの人にとって、その色が天然由来かどうかは、あまり大きな問題ではないだろう。それよりデザインや色目のほうが重要だ。だから合成藍のものが殆どだという現実も、それはそれでよいと思う。
でも、化学藍合成藍もしくはそれ以外の青染料なのに、天然藍でございと売る側には問題があると思っている。この町から出て行く青い服が、プレーの天然藍染として販売されなければいいのだが。
プレーのナイトマーケット
ホテルの人に食事場所を訊いたら、すぐ近くにナイトマーケットがありますよと言う。出かけてみた。
麺の屋台が多く、我々も麺を食べる。規模は小さいが、なかなか活気があるマーケット。買って帰るよりは食べて行く人が多いように見えた。
ちょっとお腹が空きそうなので、豚串とカオニャオ(もち米)を買って戻った。
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