バングラデシュへGO! 2020.01.10

こうなりゃバングラデシュだ!
どうしてそうなる・・・
向かうは開いているはずのガウル国境だ

 

ムルシダバードをスルーしてバングラを目指す

何だか嫌になったムルシダバード。

本来ここにはカディを見に来た。ある程度場所の当たりもついてはいる。
だがしかし、もうカディはたくさん見たし、何となくこの地の空気が嫌だ。子どもみたいな理由だが、今回はこの地はスルーしたいと思った。
途中のマンガルギリとポンドゥルをスルーせずに来れてよかった。あそこをスルーしていたら、どうなっていたかな。それはそれでこの地を一生懸命見ようとしただろうか。
とにかくムルシダバードはスルーして、先へ進もうと思う。
そうと決まれば後はルートだ。
今回、私はインドの最終地点をインパールに決めている。
ここからインパールまでどう行くか、これが悩みの種である。

ムルシダバードからだと、列車が限られる。一番近いアジンガンジという駅まで行って、そこから日に1本の列車がディマプールまで行くのに乗るか。しかしこれがまたウェイティングリストのオンパレードで、チケットが取れそうにない。頼みのtaktalも撥ねられてばかり。
しかもアジンガンジ、地図で調べた時にはすぐ近くだと思ったのに、列車を調べると2時間近くかかる。よくよく地図を見ると、川の対岸なのだが、橋がない! 住井すゑか。宿の人曰く、乗合などで川まで行き、船で対岸に渡り、また乗合で駅まで行くらしい。それはそれで面白そうではあるが・・・。船か・・・。

めんどくさい。
こうなったらバングラに入ってしまえ!!!

まったく想定外だったわけではない。地図を見るとわかると思うが、コルカタの北方からインパールへ行くには、インド国内を行くよりバングラを突っ切ったほうが早そうに見えるのだ。距離的にはおそらくこちらが近い。

あらかじめ越えられる国境だけは調べてあった。ムルシダバードから最も近い国境は、北に行ったガウル。ガウルという地名はマップでは出ないが、バングラ側の地名がわかるので、おそらくここだろうというのはわかっている。インド側はMAHADHIPUR、多分ここだ。上の地図ではラジシャヒという地名の斜め左上、Aが3つ重なっているあたりが国境である。
そこから入り、ラジシャヒ、ダッカを経由して東または北でインドに戻る。
よし、そうするぞ!

我ながらこういう決断は速いというか、ぱっとする。

早速、宿の人に情報を訊きに行った。

「バングラに行きたい、国境までどう行ったらいいですかね」
「バングラ? 国境はジャランギだよ」
「ジャランギ?」
「そう。バスでベランポールから2時間くらい」

ジャランギなど聞いたことがない。新しい国境が開いたのだろうか。部屋に戻ってスマホで調べる。
Jalangiはムルシダバードの南である。もしここが開いていれば言うことはない。ラジシャヒまでもすぐだ。でも開いているという情報は見つからない。おそらく両国人だけに開放されている国境なのだろう。

パソコンの地図を開いた状態でもう一度訊きに行く。
宿の人は英語をまったく話さないので、近くの人を呼んできてくれた。

「バングラに行くには、jalangiではなく、北のガウルですよね?」
「jalangiにはチェックポストはないよ。バングラの国境はMOHDIPURだ」
「MOHDIPUR?」
「そう」
言いながらその人は、まずベランポールへ行き、そこからバスに乗って55キロのMOHDIPURへ行く、と紙に書いてくれた。

MOHDIPUR モーディプル

ムルシダバード
右側が教えてくれた人

なるほどなるほど。
国境はMOHDIPURなのだな。現地でなければわからない地名だ。

実はこの国境、日本語で紹介されていて私が見つけたのは唯一「ガウル」となっている。私が地図で調べたのはMAHADIPUR、おそらくこれだと思っていたのだが、ガウルとは何ぞやと不思議だった。いろいろな呼び方がされているのだろう。成田が東京国際空港であるのと同じように。現地での呼び名がMOHDIPUR、モーディプルなら、その地名を言うのが一番だろう。

ムルシダバード
宿の人、親切だが英語はほんとに話さない

なるほどなるほど。
では教えられたとおりにまずは昨日列車で通過したベランポールへ戻り、そしてMOHDIPURへ行こう。

ムルシダバード
ベランポールへは乗合スーモで。1人15ルピー也
ベランポール
30分ほどでベランポールのスーモ溜りに到着

このベランポールのバス駅が、まったくわけがわからない場所だった。
書いてもらった紙を見せても誰もわからないと言う。バングラデシュ、ボーダー、と言っても通じない。まったく誰も英語を解さない。単語だけでも、だ(元より私も単語しか発していないのだが)。
チケット売り場らしきものをやっと見つけて紙を見せるも「わからん」と。
何者だかわからない男たちがわんさかいて、あのバスが、あっちだ、あれだ、それだ、と言うは言うのだが、運転手に訊くと首を振る。
そのうちに誰かが
「メディプールだ」
と言い始めた。
「いや、モーディプルですよ」
と言っても聞かない。このバスだ、これに乗れ、と押し込まれる。
まわりの乗客に紙を見せると「メディプールだな、行くよ」と言う。
メディプールなのか???
モーディプルなんだよ行きたいのは?
半信半疑と言うよりほとんど疑いばかりで乗ったバスは、それでもすぐ発車した。

ベランポール
またまた混雑したバスに揺られる

通路に立っているサリーのおばさんが、最後部の5人掛けの席に6人座っているのに「自分を座らせろ」と言っている模様。すると私の横の人が、
「こいつらメディプールで降りるからそれから座ればいい」
と言っているようだ。

え・・・?
55キロも先のはずなのだが?

嫌な予感。するとその直後、車掌が私を見て「次だぞ」と言ってきた。まだ5キロ走ったかどうかなのに。
そんなはずはない、と言いたくても言えない、ヒンズーは話せないのだから。
満員のバスから押し出される。料金は1人10ルピー也。

メディプール
脇道との交差点で降ろされる、走り去るバス

その交差点に立ってバスを待つ人たちも全員「何事だ?」と私たちを見ている。
それこそまったくありえない場所で外国人がバスを降りてきたのだろう。

なんとそこに、英語が話せる人がいた。彼は私が握りしめている紙を見て、すべてを察したようだった。

「ここは、ムルシダバード県のメディプール。国境があるのはマルダ県のメディプールですよ」

「ですよねー」

周囲の人たちも、私たちがとんだ勘違いでここに降ろされたことを察したようで同情的だ。

「ここからどうすればいいでしょうか、元に戻るべき? それともそっちへ行くバスが通るのかな」

そこにミニバンが来た。

「とりあえずこれに乗って! そして高速道路の料金所でバスをつかまえて!」

ミニバンの荷台にほとんどわけもわからず乗り込む私たち、その横を通過していく青いバス。
英語の話せる人は、ミニバンの運転手に「あれを追いかけて追い抜いてこの人たちを料金所でバスに乗せろ」と言ってくれたらしい。ミニバンは猛スピードで走りだした。

捨てる神あれば拾う神あり

ミニバンは一生懸命走ったが、バスにはかなわない。高速の料金所が見えた時には、バスはもう見えなくなっていた。
ミニバンが料金所で停まる。運転手が降りろと言う。
インドの料金所はモタモタする車が多くいつも渋滞する(だからバスも止まる時間があるから乗れるというのだ)が、この時は前の車が意外にさっさと行き、バンの前は車がいなくなった。後ろからクラクションが鳴らされる。そりゃそうだ。降りるしかない。
しかしここでバスを見つけて乗るのはえらく難しいミッションだ・・・。来るバスをすべて止めて運転手に窓を開けてもらい、行き先を訊かなければならない。
何語でだ?
こいつは難しい、無理じゃないか・・・。

と、走り去るミニバンを呆然と眺めていると、さっきクラクションを鳴らしてきたマヒンドラ(国産のSUV)の助手席の窓が開き、「何やってんの」と。
紙を渡して見てもらう。我々がどこに行こうとしているのかだけはわかると思って。

「乗りな」
「えっ?」
「そっちから回って乗って」
「ありがとうございます!」

運転手、助手席に男性、後部に女性1人というメンバーだった。どういう関係の人たちなのだろう。どこまで乗せてもらえるのかな。考えていると、助手席の人が振り向いて、

「FARAKKAまで乗せていくよ、そこで次のバスに乗り換えればいいから」

FARAKKAは、国境の場所を調べた時に見た地名。刻んで行くならと書き留めた覚えがある。確実に国境に近づく。ありがたい。

マヒンドラは快適に飛ばしていく。やがて助手席の人が降りた。おや? 続いてしばらく走ってから後ろの女性も降りた。20ルピー払っている。そうか、この車は乗合タクシーなのだ。ようやくわかった。

女性が降りると車はバス停またはバス待ちの人がいる溜りに近づくと減速し、声をかけたりしている。やがて一団が乗り込んできた。

そうこうするうちに車はFARAKKAに入った。途中拾った一団を下ろし、後は我々だけだ。
すると運転手、やおら車をUターンさせたかと思うと1台のバスを追走し始め、並走しながら助手席の窓を開け、「2人乗せろ!」と運転手に合図。バスが停まる。急いで降りて運転手に約束の金を払い、バスに移動する。運転手は付いてきて、車掌に「この2人を国境まで頼む」と言ってくれた。ありがとう!

ファラッカ
あまりの慌ただしさに写真はこれだけ、マヒンドラ車内

 

ファラッカから国境分岐へバスで向かう

ファラッカ
バスはすぐに大きな川を渡った

小さな船が見える。ムルシダバードからアジムガンジ駅に行くには、この川を船で渡るのだと聞いていた。まさかあんな小さな船ではないと思うが、こっちに来て正解だったかも。

ファラッカ
列車とすれ違う

グーグルマップで見てみると、この先国境へ行くには大きく右に曲がるはず。しかしこのバスはまっすぐ行くのではないかと思った。とすれば分岐で降ろされるか、あるいは終点まで行ってあらためて乗り換えるのか。
そう考えていると車掌が「次降りて」と言ってきた。分岐だ。

分岐
降ろされたところ

「道路渡って、あの道、あっちが国境だから、車来たらつかまえて!」
と言い残し、車掌を乗せてバスは走り去っていった。
今日は何度も走り去るバスを見ているような。

国境分岐
バスが通る、止めようとしたが止まらなかった
国境分岐
なんかゴーストタウンのようだ
国境分岐
ものすごくたくさんのトラック、無人

いよいよバングラデシュ国境へ

国境分岐
しばらく待ったが車が来ないので、たむろしていたトトに乗った
国境近く
途中の風景、因みに奥さんがこねているのは燃料にする牛の糞
マハディプル国境
ヤギとか
マハディプル国境
学校のようだ
マハディプル国境
買い食いする子供たち
マハディプル国境
村の小道
マハディプル国境
遺跡があった、いくつも見えた

そして、ついに国境、バングラデシュだ

マハディプル国境
おお、もしかして国境?

着きましたぜと降ろされた。
ついにインドを抜け、バングラに移動だ。

マハディプル国境
早速男たちが近づいてくる

さてインド出国だ。

実はこの国境を越えるにあたり、一つだけ不安があった。
バングラのアライバルビザが取れない可能性が無きにしも非ず、ではないかと考えていた。
バングラデシュは日本人に対し、アライバルビザを発給している。空路だけでなく、陸路でも取れるらしい。ただしすべての国境でそうであるかは不確定。調べきれない。そんなに情報もない。コルカタからの国境は確実に取れるだろうが。そこまで戻るつもりがないからこちらに来たのである。
一抹の不安は抱えていたが、まあどうにかなるだろうと、インド側のチェックポストに入った。

マハディプル国境
バングラだー
マハディプル国境
やはり正しい地名はMAHADHIPURだった

中に入るとけっこうな数の地元の人たちで混雑していた。これは時間がかかりそう、と思っていると、見慣れない外人に気付いたスタッフがすぐ奥に案内してくれた。 やれ助かったと思ったのだが、この後意外な展開が・・・。

「このビザはE-VISAなので、陸路での出国はできませんよ」

「え、そんなはずはないです。E-VISAは確かに入国ポイントは空路に限定されていますが、その後の出入国、特に出国は空路以外でもできるはず」

「いやいやダメですよ、E-VISAは入国も出国も空路だけですから」

「ですからそれは違います、日本のインド大使館でも確認しました、最初の入国以外はすべて陸路で可能なんです」

「大使館の話をされても、ここはインドなので、彼らは現場のことを知らないんですよ」

「そうではなく、えーとですから、出国できるはずなので、上の機関に確認してみてください」

以下延々押し問答。係官は一応どこかに電話していたが、「ですよねー」的な会話内容にもはや絶望的と悟る。

まさかインドが出国できないとは、100%想定外だった。

ここは小さな国境なので、外人なんてほとんど通らない。だからE-VISAの管理をするためのソフトがパソコンにインストールされていない、だからお前は出国できない、というのが係官の言っていたこと。普通のビザだったら何の問題もないんだ、とも。

言っていることはわかるが、承服はできかねる、しかしどうにもならない。
そんなところか。

マハディプル国境
この人が悪いわけではないのだが

出国はできなかった。
インドに対して言いたいのは、国が決めたことは周知徹底してほしいし、ダメならダメとそれも書いておいてくれ。
今回通ろうとしたMAHADHIPUR国境は、日本のインド大使館のE-VISAのページで、通過できる国境一覧に名を連ねているのだ。そこになければ通ろうとはしない。

まあ、これがインドですよねー

ですよねー

マハディプル国境
何で行けないんだバングラデシュ! すぐそこなのに

泣いていてもしょうがないので、次善の策を練る。係官氏曰く、ここからスーモでマルダに行き、列車駅に行ってコルカタに戻るか、シリグリならバスもありまっせ、とのことだ。ともかくマルダとやらに行こう。おそらく最後に乗ったバスはここ行きだったのだろう。

シリグリへ

マハディプル国境
屋根の上にも人が乗っているスーモでマルダへ向かう

マルダ到着。人に訊きながら、途中からは追いかけてきてくれたとみえる先ほどのスーモの乗客が案内してくれたどうにかバス停らしき場所に着いた。

マハディプル国境
ここにシリグリ行きバスが来ると言うのだが・・・

バスが来るのは6時半とか7時とからしい。コルカタからのバスのようだ。ということは、乗れるかどうかわからないということではないのか。
現在まだ5時前だ、ここでずっといるのは辛いな。
列車駅が近くにあるらしいので、そちらに行ってみることに。オートに乗って割とすぐに駅に着いた。

マルダタウン駅
列車駅、MALDA TOWN駅だそうだ

とにかくどこかへ動かねば。
当初からの列車最終地点のDIMAPUR行をダメもとで訊くが、やはりウェイティングリストだ。
ここで待つ、待っても取れないだろう、どうするどうする。
幸い携帯はつながっている。それで調べると、今日のシリグリ行きシャタブディが空席ありになっている。少しでも先へ進もう。

窓口の人にスマホを見せ、シリグリに行きたいと告げるとチケットを発券してくれた。
ともかくやった!
(なんかもうわけがわかっていない)

チケットオフィスは椅子もあり、ちょっと落ち着けたのでそのままそこで先の予定を考えていると、さっきの窓口の人が帰り支度でやってきた。

「どうしてこんな駅に? 外人なんて初めてですよ」
「いろいろありまして、バングラに行こうとしたらビザの問題で行けなくてこっちへ・・・」
「はあなるほど。何か困ったことがあったら駅の人に訊いてくださいね」

と言って窓口氏は帰って行った。

その後、スマホで調べてみると、シリグリからだと先へ進む選択肢が増え、明後日の切符がTATKALで取れそうだった。数分迷ったが、もう迷っている場合ではない、取れるものは取ろうと決め、予約。決済にまたもや失敗続きで何度もやり直し、最終的に別のカードを使って支払いも完了、コンファームできたとのメールも来た。これで一安心。

マルダ駅
ホームから空を見上げると月だ
マルダ駅
シャタブディ来た
インド列車
食べ物来た

シャタブディは中距離を走るインドの高級列車で、こうして軽食のサービスもある。デリー~ジャイプール間で利用することが何度かあった。
嘘のように快調に飛ばし、3時間半でシリグリ(ニュージャルパイグリ)到着。

駅前が無駄に長い長い道になっていて、歩いても歩いても構内を出られない。やっと道路に出て、宿を探す。地元の人に着いて行った宿は、部屋は小さいがまあきれい、しかしトイレシャワー(あるのか?)は共同で500とか・・・。いや高いでしょ。それにこんな宿じゃ癒されないよ。
ということで、スマホで当たりをつけていた宿をグーグルマップで検索、ラッキーなことにそちら方面に歩いてきており、あと300メートルほどだそう。頑張って歩いて行く。

そこそこ小ぎれいな宿だった。お湯も出るしWI-FIもある。交渉して800にしてもらった。

とにかく長い一日だった。

長々と読んでいただき感謝。最後に元のサイトで使っていたタイトル画像を。

マハディプル国境
インド出国できません

本日の移動 ベランポールへスーモ15 メディプールへバス10 高速料金所へスーモ10 ファラッカヘクルマ100 分岐へバス21 国境へトト50 マルダへスーモ25 シリグリへ列車1275(2人) 金額記載ないものは1人分
本日の宿 チェーン店ホテル 800ルピー
朝ごはん 50ルピー 夕方休憩 100ルピー