アレッピーからコッタヤム経由トリバンドラム 2019.12.20

また移動だ 観光船ではない路線ボートに乗ってコッタヤムへ そこからバスに乗り換えてケララの都トリバンドラムへ

 

アレッピーの宿は広さはまあまあだったが、致命的だったのが、ファンがオンとオフしかできないこと。しかもオンの時はマックスパワーである。
最強かゼロか。
吐くまで飲むか一滴も飲まないか(例えが違う)。
とにかく蒸し暑いので、ファンなしでは寝られない。ファン最強で下でシュラフを使うという何とも主客転倒な一晩に。
朝になって出たお湯も実にしょぼい。
またまたいまいちな宿だった。

そんなわけで一日で出ることにしたアレッピー。
次に向かうのはコッタヤムという小さな町。何もないと思う。なぜここに行くかと言えば、ここへは路線ボートが走っているから。

ケララのコーチンやアレッピーで有名なのはバックウォーターと呼ばれる水郷地帯を豪華船で行くツアー。そんなに驚くほど高額ではないと思うが、なんだかそういうのはつまらないな、と思っていたところに、コーチンの宿で見せてもらったロンプラに、その水運のことが一行書いてあったのだ。
いいね、地元の人のための水上バスに便乗する。3時間半ほどかかるようだが、これなら往復したりせずに、行った先からつないで進んで行ける。
アレッピーからコッタヤムの船は、7時15分、9時35分、11時半、14時半、くらいが使えそうな時間だと思う。もっと遅くにあったかな、忘れた。

アレッピの船

時間15分ほど前には船が到着した

船着き場

船着き場のアフロの兄さんたち

いろいろな方面へ行く船が同じところに来るけれど、誰に訊いても教えてくれるので安心。

運河、湖、また運河を通ってコッタヤムまで

水路がないので地図ちょっと変ですが、コッタヤムの位置がわかればと。

定刻に出航したボートは、川というか運河というか、の両岸に寄りながら進んでいく、特に最初はそんなこんなでちっとも進まない。引き返したりもする。それでも湖を過ぎる頃には船着き場に寄る頻度も下がり、スピードが上がる。

ハウスボート

これぞハウスボート! ボートに泊まりながら周遊している

ハウスボート

見た目もかっこいい

船着き場

船着き場で乗ってくる親子

魚とり

魚を獲る小舟もたくさんいた

運河があり、両岸にちょっと土地があり、その向こうはまた湖沼または水田という地形が続く。細い土地に1軒ずつ家が建っていて、綺麗な新築のものも目立つ。土地、いくらくらいするんだろう・・・(アイスクリーム屋でもやったらどうかな)。

アレッピ 撥ね橋

撥ね橋だ、汽笛を鳴らすと一つ、また一つと橋が上がる

コッタヤム

コッタヤム到着

予定より少し早く、12時5分に着いた。ちょうど2時間半だ。これは今日中にトリバンドラムまで行けそうだな。

時間によってはコッタヤムで1泊してもいいかと思ったが、4~5時間だろうから夕方までにうまくすると着く。一気に行ってしまうか。

船着き場から大きな道に出たところで流しのオートを待っていると、バスが走ってきて、10mほど先で人が乗り降りしている。フロントにKSRTCの文字。ケララの公営バスだ。ということは、これから町のバススタンドまで行くにちがいない。走って行って、乗り込もうとしている人に「バススタンド行く?」と訊いたらやはり行くとのこと、迷わず乗る。
ところが降ろされたバス駅はKSRTCではなかったらしく、「ここは短距離だから、トリバンドラム行はないよ」と言われ、また市内バスに乗って今度こそKSRTCバススタンドへ。やれやれバス2本も乗ってしまった。

トリバンドラム行のバス

長距離バスターミナルは通常短距離のそれより大きく、整っていることが多い。しかしこのバススタンドは・・・。ごちゃごちゃで何が何やらわからない状況だった。

こんな風に混乱したバス駅をあまり見た記憶がない。どこの国でもだ。
何しろ、バスの時間がわからない。来るか来ないかわからない。どこがホームなのか誰に訊いてもわからない。みんな「そこらで待ってて」と言うのみだ。
たまたま西洋人の若い女性が一人旅の最中で、どこかあまり聞き覚えのない街に行くそうなのだが、「誰も英語を話さないの! 全然わからないわ!」と笑っていた。たくましそうなお姉さんなので、何とかしていくだろう。

何台もバスは入ってくるが、どれも違うようだ。
周囲にはわかってかわからずか、数十人の人が立っている。バスが来たら座席の奪い合いになるのだろうなと嫌な予感。かつての中国を思い出す。並ぶとかそういう文明以前の状況では、人は座席を奪い合うのだよ。降りる人がいても構わず乗り込むんだろうな・・・。

そこへバスが来る。それまでただ立っていた人垣が崩れ、バスに殺到する。
これか、これなのか?

たまたまそばにいた職員らしき人に訊くと、これだと言う。バスの入り口はすでに人だかりとなっており、案の定降りる人がいるようなのに遮二無二突撃している。出遅れたわ・・・。でも行くしかない。人の背中にしがみつき、横から入ろうとするのを阻止し、とにかく前進!
ようやく車内に入って通路を進むと、ちゃっかり私のザックが椅子の上に置いてあるではないか、オットが外から放り込んだ違いない。オット、GJ! さすが戦後の混乱期を知っている人間は違う(言い過ぎか)。

バスはたちまち満席になり、通路にもぎっしり立つ人を乗せて発車した。まあ発車時はそうだが、途中どんどん人が降りて行き、落ち着くのだろうと思ったのだが甘かった!

途中駅

途中駅もこのありさまである

どんどん乗ってくる、降りる人はあまりいない。バスは午前8時台の山手線並みの混雑ぶりだ。

コッタヤム

バス駅に入っていくと、コッタヤムと同じように人垣が殺到してくる

乗れずに諦める人もいる。バスはぎっしり満員のまま、走り続ける。

トリバンドラムまでは4~5時間と踏んでいたが、何しろこの混雑ぶりだ。道路の渋滞もひどい。Maps.meで見ていても進まない・・・。
3時間ほどして着いた駅ではエンジンを止め、運転手と車掌は休憩に行ったようだ。しかし乗客は誰も降りない。降りたら最後自分の場所はなくなるだろう。私たちも同じ理由で降りるわけにいかなかった。それに何分停まるとか、そういう声がまったく聞こえない。中国なんかでは、必ず運転手が声を張り上げて何分だ! と告げている。ここでは乗客は混んだバスの中に置き去りなのか・・・。

そしてまた走り出す。
そうそう、インドのこの手の公営バスには窓がないことが多い。最初からガラスが入っていない全開状態なのだ。昼間は暑かったが夕刻になるにつれ風が冷たくなってくる。薄いジャンパーを着て、帽子をかぶって持久戦。雨まで降ってきやがった(><)

1時ちょっと過ぎに乗ったバスがトリバンドラムに着いたのは、夜7時少し前。
6時間かかった・・・。
休憩なしでのバス6時間はさすがに勘弁してほしい。

さらなる悪夢が

宿は現場で探そうと到着したトリバンドラム。ケララ州の州都である。
バス駅の横に大きなホテルがあるので飛び込んで訊いてみると、部屋はあるが2850ルピーと。ちょい高いな。
ネットで探して近くの宿を予約する。932ルピー、よければ連泊してもいいと思っていた。歩いて行ける距離だとオートの兄さんに教えられ(こういうところが南インドは好きだ)、実際歩いてすぐだった。食べ物屋もたくさんあった。
部屋はまあ普通のインドビジネス宿安い方編。お湯は朝しか出ない南インドあるある。
まあいいや、とにかく夕食に行こう、と、殺虫剤を撒いてから外に出て、適当なものを食い、戻ってきたのが1時間後。

インド食事

フライドライスとチャパティとカリー

ベッドに座って荷物を整理していると、ふと、目の前の白いシーツの上にうごめくものが。
あん? 虫?

悲しいかな、老眼の私は、眼鏡をかけないとよく見えないのである。
眼鏡をかけてみた。
黒い虫がたぶん殺虫剤で苦しんでいるようだ。つまもうとするとつまめない。その瞬間、ぞわっと寒気がした。

これ、南京虫じゃないか!?

床にも同じようにもがいている黒い虫が、全部で10匹はいた。すべて潰す。
間違いない、これは南京虫だ。スイカの種に足が付いたような、という友人の表現にそっくりだ。スイカの種よりは小さいが。これが南京虫なのか!
刺されたことはあるものの、見たのはこれが初めてだ。こんな風に目に見える大きさの虫なのか。聞いてはいたが実際見ると不思議だった。ダニみたいに目に見えない大きさの虫のほうが存在を飲み込みやすい。こんなのに刺されて気付かないなんて・・・。

南京虫とは恐れ入った。これ以上の効果があるかはわからないが、殺虫剤をベッドに噴霧して、寝ることに。
眠れない・・・。
ただでさえ不眠症なのに、南京虫が来るかもと思ったら寝られるわけがない。
なんという悪夢。

ほぼ1000ルピーもする、私にとっては中級だろうと思う宿にも南京虫。
インドは本当にもう・・・。

本日の移動 アレッピーからコッタヤムへ船19ルピー、コッタヤムからトリバンドラムへバス133ルピー、各1名分 本日の宿 Manjalikulam tourist home 932ルピー 夜ごはん 380ルピー

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