チェンマイは前にも書いたように旧知の町だ。2007年、2008年と2年続けて越冬したことがある。その時はあちこち出かけたりもしたが、アパートを借りて4か月ずつ滞在した。私の海外歴の中で最も滞在日数が長いのは、間違いなくこの町のはずだ。
町の主要な部分はぎりぎり歩いて回れるくらい。観光客は非常に多いが、今回はコロナ騒ぎもあってか比較的少なめだった。特に中国人がそんなに驚くほどにはいなかった。
どこもかしこも閑古鳥が鳴いている始末で、道を歩けば客待ちのソンテオがずらりと並び、運転手たちが路上でたむろしてうだうだしていた。
シャッターが閉まった店も多く、人も少ない。
今回驚いたのが、コインランドリーの出現だった。以前は見た記憶がない。今回はあちこちで見かけた。中国人向けに始めた商売なのだろうか。
タイのあちこちで、特にチェンマイあたりだと、洗濯屋さんがいろんな場所にあり、持ち込むと洗ってくれる。ドライクリーニングではない、普通の水洗いだが、ちゃんとアイロンまでかけてくれる。1キロ3~40バーツくらいだったかと思う。コインランドリーの出現によって、そういう小さな商いが立ち行かなくなるのは寂しい。
悪化の一途をたどるコロナのニュースをネットで見ながら、帰国の日を待った。
3月10日の夕刻にチェンマイを発ち、バンコクへ。同じ航空会社の乗り継ぎ便を利用したので、チェンマイで出国できて楽だった。飛行機は半分強の乗客、ガラガラではなかった。
バンコクで時間待ちをして、成田行きに乗る。こちらは機体が大きく、ガラガラだった。全員が横3席を独占して横になり、それでもまだまだ余っていたと思う。久しぶりにこういう飛行機に乗った。昔、この路線に閑散期というものがあった頃、ジャンボなのに乗客が7人という事件に遭遇したことがある。忘れもしないビーマンバングラデシュ航空だった。就航してすぐだったかもしれない。
真夜中のフライトだが、そうそう寝られるものではなく。
ふと外を見ると見事な朝焼けだった。
コロナ渦が早く収束し、明るい日が来ることを祈りつつ。
3月11日、旅に出てからちょうど100日目に、日本に戻った。
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