数日ぶりの移動だ
象祭りの町から布の町(村)へ動く
どのくらいの規模の町なのだろう?
サイニャブリのバス駅
ツーリストインフォメーションの人に訊いたバスの時間は午前11時。
30分前くらいに行けと言われたが、何となくもっと早く行こうかと思った。
誰かのブログで、10時発のバスがあった、という情報を目にしていたこともある。10時、11時、とあるならいいのだが、10時しかないとかなったら最悪。
8時頃、通り沿いの店で朝の麺を食べているところに、この町ではめったにみかけない3輪のソンテオがスーッと通りかかった。向こうもこちらに気付いて視線を送ってきたので、止まってもらってバス駅まであとで行きたいんだけど、と交渉。タイ語が少しわかる人で、9時半に宿まで来てもらうことで話がついた。
時間ぴったりに来てくれて、バス駅へ。
到着し、窓口で「ホンサー2枚」と言っていると、横からおっさんが横入りしてきて、何やらぐじゃぐじゃと窓口の人と話し込む。ホンサー、2人、というくらいしか聞き取れないが何やら不穏な空気。むむ、私らの席を横取りしようとしているのか! と心配になるが、別にそのおっさんにチケットを切るわけでもなく、普通にチケットが買えた。
バスはどれですか、と訊くと、プラットフォームではない、バス駅入り口に横付けしたバスを指差し、「あれだよ」と言う。
近づいてみるとすでに乗客で一杯だ。乗れるのか?
中を覗き込むと、最後部に3席空いている。
早く来たつもりなのに、これか……。
そして驚いたことに、我々が乗るとさっきの横入りおっさんがしゃっと運転席に座り、発車してしまった。
運転手だったのか!
まだ9時45分なんだけど!
悪路は続くよどこまでも
サイニャブリからホンサーへは80キロ前後の距離だ。グーグルだともう少し短く表示されたが、祭り会場で会ったホンサーの人たちは、93キロと言っていた。どちらが正しいのかわからないが、おそらく80キロ前後なのだろうと思う。
4時間と聞いていたが、80キロなら3時間弱で着かないのかな、と思っていた。
が、道が悪い。
山道も山道だし、路面が悪い。穴だらけ、舗装が剥がれたダートだらけで、まったくスピードが出せない。ブレーキかけっぱなしである。
最後部だから余計かもしれないが、始終かっくんかっくん前のめりになり、その後ぼっこんぼっこんと穴ぼこやら段差やらを越えて行く移動は結構つらい。
途中で1人乗り満席に。
途中でわかったのだが、このバスはウドムサイまで行くらしい。フロントガラスのところに、そういう表示が出ていた。
山道はうねりながら続いて行く。かなり標高も上げているようだ。ラオスの山も深いな。
かっくん、ぼっこん。
かっくん、ぼっこん。
バスは山道を走って行く。
ホンサーに到着したのは、午後2時20分。4時間と半かかったことになる。
ところでこのバスはいったい何者なのか。サイニャブリ発ウドムサイ行きなのだろうか? でもそれなら、ホンサーは当然通るのだから、「ホンサー行き」の1本として数えられるべきだろう。
となるとルアンパバンあたりから出てきたウドムサイ行き、が空席を売ったのか? いやしかしわざわざこのルートで?
そしてその後、11時発のホンサー行きはあったのだろうか?
いや~、謎である。
そうそう。
特筆すべきは、このバス駅、町の真ん中にある。ここで降りたら、歩いて宿に行けるし、市場も近い。実に良心的な町なのだった。
宿は何軒かあるので探すのに苦労はない。1軒目は10万kでまあ綺麗、でもちょっと高い。さらに歩き、来た方に戻ったりして、市場にごく近いところで見つけたところに決めた。
メインストリートから入る路地のところに、電飾看板があるのですぐわかる。1泊8万~15万と選べる。きれいな宿だった。
川の向こうの村へ
宿の窓からメインストリートの反対方向を見ると、川があり、その向こうに村が見える。このあたりでも織りをやっているかもしれないので、散歩がてら見に行くことに。
村の人に訊くと、「向こうでやっているわよ」とのこと。向こう、へ歩いて行き、また訊いて、尋ね当てた1軒の家。家の奥に織機があり、ちょうどシンを織っているところだった。
織り上がったものもあり、見せてもらったが、この織りとは別のもので買ってもどう使えばいいかわからずごめんなさい。
祭り会場で会った織りの人たちの村は、ここホンサーからだと数キロは離れている。数キロとなると歩きではちょっと・・・。
それに今回は既に購入済みでもあるし、あまり荷物を増やすのもはばかられる。
村まで行くのは次回のお楽しみにしようと決めた。
今最も懸念されるタイ再入国が可能かどうか。さっさとケリをつけたいという気持ちも大きい。万が一ダメだったとしたら、ベトナムへ回るしかない。またまた長い陸路になる。日数もそこそこかかるだろうから、どうしても先へ先へと気が急く。
尤も、こうして忘れ物を置いて行くから、また旅に出る理由になる。のでもある。
夕方、市場に食べ物を調達しに出かけると、何とすでに殆どの店(屋台)が終わっていた。まだ日が残っている時間である。驚いた。ようやく裏手でまだ売れ残りを商っていた1軒を見つけ、何でもいいやと焼き鳥とカオニャオを確保。
小さな村はこんな感じなのか・・・。
何の音もしない部屋で、眠りにつく。
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