2018ストックカンリ登頂記・2

2021年1月7日

一夜明けて、モンカルモ4480の朝。
私 心拍108、血中酸素85
夫 心拍79、血中酸素84
私はもともと心拍数が多いので、かなり大きい数字になっている。

朝8時半に朝食。みんなでティーテントで食べる。
因みに、登山者は3つのグループに分けられる。
1つは、ガイド、馬、コックなどを連れた人たち。この人達は自分たちでテントを用意し、またキッチンテントも持ってきているので、テントサイトは一緒だがティーテントに来ることはない。最も高額な料金を支払う登山の形だ。
1つは、ガイドやポーターは連れているものの、それ以外の装備は持たずに来ている人たち。私たちもここに属する。殆どはレーのツアー代理店でアレンジしており、テントサイトに常設されているテントを使い、食事はティーテントで作ってもらう。宿泊と食事込の金額をテントサイトに支払う(ガイドが払う)。
最後が単独の登山者。テント持参の人が多かった。食事は自分たちで作る人もいるし、ティーテントで取ることもできるようだ。もちろん有料。

この朝、モンカルモでともに朝食をとった人たちは、ほとんどが登頂まで同じ行程になる。
朝食はチャパティとオムレツの簡素なものだった。
ほとんどの登山者は、レーに入って数日でここに来ている。具合が悪い人もちらほらいる。それでもみんな出発していく。我々も出かけよう。

モンカルモ~ベースキャンプ(2時間半)

遠くにストックカンリを仰ぎ見ながら、広い河原状の場所を歩いていく。
今日の行程は、モンカルモからベースキャンプまで。ガイドのサントッシュによると、2時間半から3時間ほどの道行きになりそうだ。

今日も何度も渡渉を繰り返す。渡渉は苦手だ。
サントッシュが渡りやすい場所を選び、自分が渡った後でサポートしてくれる。そのたびに右腕が引っ張られて五十肩が治っていく(笑)
大きな渡渉を終えたところで休憩。ストックカンリが近づいてくる。

野営に使えそうな石囲いがところどころにある。
晴れて気持ちのいい日だ。
昨日の苦しさが嘘のように、今日は調子がいい、というか普通に歩ける。
サントッシュが何度も時間を聞いては「今日はいい調子!」と言っている。

歩いてきた方角を振り返る。三々五々、抜きつ抜かれつ、たくさんの人がベースキャンプに向かっている。朝のティーテントにいた面々は15~20人だろうか。このまま今夜アタックする人もいるだろう。

登る者があれば下りる者も当然ある。
ベースキャンプからたくさんの人が下りてきており、馬もまた。
サントッシュは顔なじみのガイドを見つけては情報を聞いているようだ。

標高5000に近いところでも、こんな花が咲いている。

昔はここも氷河だったのではないかと思う。こんなモレーン状の地形を延々と上へ詰めていく。(これは後ろを振り返っている)


快晴だ!
遠くを人が歩いている、たぶん登っている人たちだ。
道という道はなく、それぞれ勝手に岩と石だらけの歩きにくいところを延々と歩いていく。

マーモットがいたよ!

巣穴へ一目散!

エーデルワイスの仲間

これはなんじゃろか

丘を回り込んだところにベースキャンプがあった。モンカルモよりもテントの数がずっと多い。これからもっと増えていくらしい。
モンカルモからちょうど2時間半。今日はいいペースで歩けた。サントッシュもほっとしているようだ。
標高4980m、ほぼ5000まで上がってきた。
到着後 私 心拍97 血中酸素89
夫 心拍95 血中酸素85

ベースキャンプ・ティーテント

食器が積み上げられているティーテントの内部。奥の垂れ幕の向こうがキッチンになっている。こちら側は広い土間のスペースで、端っこにマットなどが敷かれていて座れるようになっている。

コーラも、ミネラルウォーターも、なんとビールまで売っている。
水が50、コーラが70、くらいだったと思う。
因みにここは宿泊と食事で1500ルピーと書いてあった。

ランチを食べる。手前はポーター。奥の方にはインドからの登山客たち。
このベースキャンプは料理上手のコックがいると見えて、色々な料理を作って登山者を飽きさせない。ご飯とカレー、だけでなく、パスタやサラダなど、常に数種類の鍋が置かれて食べられる。インドに5週間いたけれど、ここの食事がいちばん美味しかった気がする。

氷河から流れてくる川の向こうにブルーシープの群れが来ていた。

ベースキャンプの下の方から全体を撮影。
中央あたりのブルーシートの三角錐っぽいのがティーテント。
正面奥の斜面に伸びている道が、ストックカンリへと続く登山道だ。
いま見えている「道の消えるところ」がストックカンリへの第一関門と聞いた。2番めが旧ABC(アタックベースキャンプ、昔は設営が許可されていたがゴミ問題で今は禁止されている)、3番めが氷河を渡ったところ、4番めが「ショルダー」、そして山頂。

登ってきた方角を見ている。この方向にずっとずっと行けば中国。

 

高所順応のため登山道を進んでみる

5000の地に宿泊するので、いったん登って、それから下りて夜を迎えるのがよい。これは高地を旅する者なら誰でも知っていることだ。私たちもサントッシュと一緒に、とりあえずは登山道を登り、道が消えていく丘(第一関門)まで登ってみることにした。午後2時頃に出発した。

午後になって日影となり、カンカン照りよりは歩きやすそうだが、なかなかどうしてこの道が簡単ではない。急傾斜の斜面に無理やり刻まれた徒歩道で、ともすれば転げ落ちそうなのだ。下も砂というか粉のような土の部分があり、歩きにくい。

あまりの歩きづらさに途中1枚も写真を撮らずに登ってしまった丘の上。というか尾根の上と言うべきか。稜線上になっている。わかりづらいが左手から登ってきて、てっぺんにいる。
中央がストックカンリ峰。
そこに向かってなだらかに下っていくように見える道が、登山道だ。


登ってきた側はこんな景色。
沢が見えているが、これを下っていったところにキャンプがある。かなりの傾斜ということがわかる、かな。


ベースキャンプを見下ろしてみた。見えている道は比較的なだらかな部分で、ここからそこまでの間が滑り台のような傾斜になっている。


遥か彼方の緑の部分は、レーにも近い町や村。ずっと向こうは中国。

丘の上までの予定だったが、私たちが元気だったせいか、もっと先まで行ってみることに。

なんで撮ったのかわからないけど・・・、こんなふうに赤っぽい斜面や黒っぽい斜面が次々と出てきて、いずれにしても急傾斜の斜面に作られた道は常に下に向かって傾斜していて、うっかり踏み外せばアウト、って感じの場所が続く。
ただ、第一関門の丘の上から氷河までは、比較的ゆるやかなアップダウンの繰り返しだ。


ABCに着いた。氷河がもう目の前に迫っている。明日はこの氷河を渡り、手前に見えている尾根の向こう側を登っていくことになる。


ABC のタルチョーと中国国境の山々(遠望すぎて見えない・・・)


左がサントッシュ、真ん中はポーター、右わたし。やたらと元気。


ふたりの写真をいま撮っておこう! とサントッシュ。
明日でもいいよ~、と言うと、登る時は真夜中で、下りてきた時は死んだようになってるはずだから、今しか撮れないんだ! と言われた。

来た道を引き返す。ベースから見える丘の上まではいいとして、そこからの下りがほんとに怖い。スリップしそうな場所がずーっと連続している。横歩きをしながら下りないと、ほんとうに転げ落ちるだろうと思った。


夕方、すこし雲が出てきているゴレップ・カンリ。

ここまで数日、この周辺の天気はよかったそうだ。そろそろ崩れるかもしれないと思った。
ベースに着いた時もそう思い、もしかして、今夜アタックするべきなんじゃないかと考えたりもしたが、サントッシュが「今日は休んでアタックは明日の夜」と決めたので、従うことにした。
実際、モンカルモから一緒にここまで来た人たちは、殆どが「明日の夜」登るらしかった。
夕方6時、「飯だ飯だ」と招集がかかる。
飯食って寝よう。

3日目に続く~