ジャワ島2023 その5 トゥバン

2023年10月のジャワ島バティック三昧旅の5回目です

ラセムの宿を出てすぐ近くの大通りまで歩いて行く。この大通りがスマラン~ラセム~トゥバン~スラバヤと、ジャワ島北岸を縫って行くバスの通り道。
通りを渡らせる係の人がいた。あちこちの町にこういう人がいる。職業なのかどうかはわからない。以前はこういう「勝手に交通仕切り係」の人にはチップを渡すものだったが、最近は変わったのだろうか、あまりお金を渡す場面は見なかった。
それはともかく、この人が「どこに行くんだ?」と訊いてきた(多分)ので、「トゥバンに行く」と答える。正確には「トゥバン」と言っただけであるが。
するとこの人、「俺が止めてやる!」と張り切り、他の車や人を整理しつつ道路の先を常に警戒、やがて来たバスを止めてくれた。ありがたい。まぁもちろん自分たちだけでも止められるとは思うが。

意外にも席分離シートのバスだった。物売りが乗ってきた

途中見かけたきれいなモスク

バスは順調に走り、3時間ほどでトゥバンに着いた。

トゥバンバス停で、乗ってきたバス

トゥバンは5年前に来ているので若干の土地勘がある。前回は町の西寄りに泊まったが、今回はバス停から遠くないところを探した。

にぎやかな交差点のあたり

水シャワーの宿に決める

いわゆる安宿。そんなに安くはないけど……(-_-;)
バス停に近いからいいかと。

さて、前回来たときは「手織り」に焦点を当てており、2~30km離れた村まで布を探しに行った。今回はバティックにフォーカスしようと思い、町中と郊外あたりで工房を探し、回った。

なんと手織り

前に探したのは地機の幅狭の手織り布。
今回見つけたのは、織機による手織り布。こんなに大掛かりにやっているとは予想していなかったので驚くと同時にうれしかった。

糸も紡いでいた

手作りの機械だと思う、糸紡ぎの様子

蝋(たぶんパラフィン)を温めておくセット

下で小さな火が燃えている。これはどこの工房に行っても、蝋付けの工程がある限り必ずあるセットだ。

このように広げて張った状態で蝋付けするのは珍しい

こちらが一般的な作業風景

チャンティンと呼ばれる金属製の筒のようなものに蝋を入れ、筒先から細く出てくる蝋で線を描いている。簡単なように見えるが実際には蝋を安定的に出すことが難しく、熟練度が求められる。

こちらでは下絵を描いていた

こうして出来上がったバティック

思いがけずよい布が手に入った。
手紡ぎ、手織りの布のバティック。厚く粗い手織り布にバティックを施したタペストリーのようなものは前回も見ており入手もしたが、サロンとして使えるものは今回初めて出会った。

この工房にはジャカルタから商社のような人たちが買い付けに来ており、私が何枚も選ぶのを興味深そうに見ていたが、「あなたはもしかして、デザイナー?」と訊かれて「は、ま、そんなようなもので……」(笑)
日本では名乗れない(おこがましい)が当地ではほかに言いようがないのが事実。
専用車なしで来ていた私たちを店の人が送ってくれた。CR-Vの新車だった。車庫には他にも日本メーカーの新車が2台あり、バティックもちゃんと儲かる産業になってきたのだなと思う一方、作業をしている人たちにその恩恵がどの程度行き渡っているのかを考えると複雑な気持ちになった。
そして送って行く先が水シャワーのボロ宿だという!

トゥバンの海沿いの風景

木造の船がたくさん

夜には近くのモスクがライトアップされる

以上、トゥバン編でした

 

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