トゥバンでテヌンに見惚れる

ジャワ島のどちらかといえば西の方にあるチレボンでのバティック探しを終えて、またまた列車に乗って東へ、スラバヤへ向かいました。スラバヤで1泊、翌朝バス駅へ行き、トゥバン行きのバスに乗り込みました。トゥバンにはバス駅はなく、町外れの道端で降ろされます^^; そこから予約しておいたホテルまではミニバンタクシーですが、値段交渉が面倒です・・・。

翌朝、ホテルで頼んだ車に乗り、織りの村へ出発。最初にお邪魔した工房で、糸紡ぎをしていました。

村の道端に綿花が干して(?)ありました。これからどこかへ持っていくところらしい。
糸に紡がれて、織られて、テヌンになるのです。

テヌンとは手紡ぎ手織りの綿布のこと。ジャワ島で織られているものをそう呼ぶようです。
インドではカディと呼びますね。
ただインドのカディは最近どんどん変質しており、機械織りだったり、手紡ぎ糸ではなかったり、いちばんびっくりなのは木綿ですらなかったり・・・するものも「カディ」と称されて売られています。本当に残念なことです。その点テヌンは生産量がそもそも少なく、生産地も限られているので、まだ本物があるのではないかと思って出かけた次第です。

民家の2階が機織り場になっていて、何人もの女性がテヌンを織っていました

縦糸も手紡ぎの木綿なんですね、これはびっくりです。タイ辺りだと縦糸は違う場合のほうが多い、綿糸では織れないと言われることが多いと思います。

横の竹筒は、杼を通してからトントンする木の棒(板)を出し入れするための支えでした

民家の軒先でも地機で織っています

ヤギの隣で地機

こちらでも建物の隙間のような場所で地機


白綿と茶綿の糸
私が今回見て歩いた範囲では、白の布しか織っていなかったな・・・同じ村、バティックも盛んに行われていました

地機

手織りもまだ行われてはいましたが、織っているのは高齢の女性のみ。中年以下の女性たちはバティックの仕事をしているように見受けられました。おそらくそちらのほうが割がいいのではないかと思います。

 

いくつもの小さな村が点在し、それぞれでバティックの作業をしていたり、テヌンを織っていたり、という風景を見ることができました。この人達から直接布を買うことはできませんでしたが、政府の直営店があり、作られたものは殆どここに収められるということだったので、そこにあるだけ買ってきました。あまりたくさんはなくてちょっと残念でした・・・(>_<)

タイ、ラオス、ベトナムあたりでは、どんどん手織りが消えています。ここジャワ島では、まだこのような形で普通に民家の軒先で織られているということに驚きつつ、それにしても劣悪な作業環境に胸が痛みました。地べたで、というのはあまり見たことがないんです、遠い昔、中国の彝族の町で見かけたのを思い出すくらいで・・・。

このテヌン、少ししか購入できなかったけれど、大事に何かにしたいと思います。大事すぎて、きっと何年も寝かせてしまう気もします。

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