台湾自転車環島、最終回。
最も北東端の部分、海岸線より少し手前を隧道で横切っている
DAY18 礁渓から基隆へ
台湾一周も残り少なくなってきた。実は礁渓から台北は意外に近い。5号線を直進で、車であれば1時間ちょっとで行けると思う。ただしこのルートは山越えなのでパス。北の海岸線を回って基隆経由で台北まで行くことにした。
礁渓から基隆の間には隧道があって時間がすこし短縮できる。この隧道の入り口近くまで電車で行こうと前夜考えた。
しかし早朝、乗る気満々で駅に到着した私に駅員が告げたのは、「その駅は自転車では下りられないから無理!」の一言だった。それなら一つ手前の駅なら? それも無理! えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。
折しもこの日はどんよりと曇っており、時折小雨もぱらついていた。列車に乗りたい。しかし乗ったら隧道の終点まで下りることができない。それはそれで残念だ。
仕方なく、自転車を引いて駅舎を出た。
仕方なく、走り出した。自転車は町中を抜けて行く。やはり雨が降ってきた。カッパを着るまではいかない降り。でもこちらが動いているからしっかりしっとり濡れる程度の雨。
雨雲を通り抜けた。行く手に基隆74kmの看板が出た
ここを過ぎてから、激しいアップダウンの連続になった。特に下りたいと思った石城駅から隧道入り口までは上りが連続してえらいきつかった。
ここから基隆までの間に、猫の駅があるそうな。下りてみたかったがここも自転車が下りる駅には指定されておらず、ダメだった。
どこなら下りられるのか訊いて、瑞芳という駅まで切符を買った。基隆へはこの列車は行かない。途中で迂回して台北へ向かうのではないかと思う。
ここは九份の基点なのか、駅前はやたらと賑わっていた。この写真は閑散としているが、振り向くとすごい人で道路が車と人でごっちゃごちゃになっていた。
ここからは基隆まで下りだと思ったのだが、最後の最後にとんでもない上りが連続し、ほんとに心がバッキバキに折れまくった。しんどかった。最後の峠をいつ過ぎたのかもわからないのだが、やっと下りになったと思ったらこれがまた、長崎みたいな急坂の連続で、それはそれで怖かったと同時に、逆ルートは絶対に無理と思った。
走る人はこのまま台北まで行けると思うが、とても無理なので1泊。そうしたら外の野外カラオケがうるさく、夜の9時だか10時だかまで続いてうんざりした。こういうのを騒音と思わない人たちって何なんだろう? アジアのあちこちで野外カラオケには悩まされたが、永遠に慣れることがない。
走行距離 41km
6時45分出発 2時到着
DAY19 基隆から淡水
列車でも行けると思うが、やはり最後は走って締めくくりたい。ということだ朝も早くから出発。台北まではもうそんなにアップダウンはないのではないかと思う。
なんちゃって。
そんなわけないだろ。
最後の最後に待ち受けるとんでもなく長い長い長い上り坂。走っていたのは3号線だと思う。基隆と台北の間の山を越える上り坂があった。冗談だろと笑いながら上った。身軽なロードバイクに抜かれ、バイクに抜かれ、車に抜かれ。
正確にはまだ少し上り坂だと思う。ギアは当然1-1、止まっても変わりない。
この坂がいちばん長くきつく、後はそこまでじゃないアップダウンで道は続く。そしてグーグルマップに導かれるまま、川沿いのサイクリングロードに入った。
いつの間にかアップダウンは終わり、平らな台北市街に入っていたらしい。対岸に見えるのが台北市。
いつもは言われる側だった「加油」、今日ばかりは言う側に。皆さん明るく元気で、「ありがとー!」と叫び返しながらぐんぐん手回しペダルで進んで行った。
途中でまた市街地の一般道に入るのだろうなと思ったが、何とそのまま淡水まで道はつながっていた。一度入ってからは一度も出ることなく、サイクリングロードだけで淡水まで行けた。予想外でラッキーだった。
出発の日、淡水は小雨だった。その前の日は雨だった。晴れると町はこんなに違って見えるものなのだなと思った。
宿に行って部屋を確保し、荷物を全部外して部屋に運び、それから自転車屋に返しに行った。自転車屋は1日早く帰って来たからと、律義に1日分返してくれた。
チャリダーであれば7~9日で回るという環島。私はその倍以上の19日をかけて、しかも途中で列車も使いつつ回った。走行距離は770kmほどになった。もうこんな機会はないだろうと思うから、今やれてよかったと思う。
走行距離 49km
7時50分出発 正午到着
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