2025中国&ベトナムの旅6・天保国境を越えてハザンへ

2025年4月に中国雲南省~ベトナムハザン省~中国広西壮族自治区を回る旅をしました。
今回は麻栗坡から天保口岸を通ってベトナムに入り、ハザンまでです。

麻栗坡の町とバス駅

前日は夜になってから到着したので町の様子がよくわからなかった。一夜明けて、天気は雲の多い晴れ。
朝ご飯がてらバス駅へ情報を見に行った。

バス駅近くの橋から

谷間にある町。高層ビルこそないが、そこそこ開発はされている印象。小さな町ではない。

バス駅

あちこちへバスが出ている

天保へは40km、10元と安い。
バス駅の人に時刻表を訊ねると、40分おきに出ているからご飯食べて来いと。ちょうど食べている時にバスが来て出て行った。

米線、トッピングは自由で無料!

左に映っているビンは「青花椒油」、たぶん辛いと思う。花椒は苦手。右のビンは黒酢。
次のバスに乗るべく、宿に荷物を取りに戻った。

泊まった宿

前夜、公安署に行って「自分で帰れ」と言われた時、「宿の名前はわかるか」と訊かれてそんなんわからんわと。そしたら紙に「大岩の前の嘉園酒店」と書いて渡してくれた、例の眉1つ動かさずに人殺せそうな人が。大岩というのはそういう名前のホテルが確かに向かいにあった。ここが問題の「シャートゥーシャートゥー」である。

バス駅に戻り少し待っているとバスが来た。

真ん中のAとBが重なっているところが天保口岸、中越国境。縮小していくと左下にラオカイ~河口国境があります。

 

天保口岸へ

高速道路もありそうだったがそれには乗らず

こんな風景の中を走って行く

バナナの畑

軍の勧誘施設かな

山の中を進む、遠くに町が見えている

天保口岸のバスターミナル

国境を越えなくてもベトナム土産が買えます

すぐそこが国境

 

国境を越えてベトナムへ

右側の建物で出境する

出国手続きは思いのほか簡単。途中の道路上の検問や麻栗坡の厳しさからちょっと身構えていたけれど、何のことはない、あっさり通過。行先を聞かれただけだった。

立派なゲートのようなものが

この下をくぐったらベトナム側、だったと思う。

ベトナム側から

こっちも立派、ベトナムのイミグレーション

殆ど行き来する人はいない。中国側でベトナムのおばさん1人が出国しようとしていたのを見ただけ。

ベトナム語はまったくわからない

中国側は国境ぎりぎりまでバスがあって楽ちんだったが、ベトナム側はどうなんだろう。
バスらしきものはない。
中国側でタクシーの客引きが80元と言ってきた、高いので断ったらすぐにいなくなった。
ゲートを出たところに小さな店があったので訊いてみたが、タクシーしかないと言っていた。ちょうど客引きも来て、20万ドンだという。店屋の人がビデオ電話で中国人を呼び出してくれて話したが、値段は同じだった。
暑くてしんどいのでそのタクシーに乗ることにした。ベトナム側の最初の大きな街ハザンまでは20~30kmだったかと思う。国境に何もなければ、最も近い集落まで数キロ歩いて行けば、何かしらあるだろうと思っていたがちょうど車があってよかった。

中国側では大抵の家屋がコンクリート製だった。ベトナムに入ると途端にそうではない、木造家屋が増え、本当にただ国境とされる線を越えただけで風景ががらっと変わることに驚いてしまう。

 

ベトナム、ハザン

車は30分もかからずにハザンの町に入った。バス駅で下ろしてもらう。
ここから先もバスでの移動になるから、時刻表や行先の確認は必須。

バス駅にあった行先の表

行先はあるが時間はない。
因みにバス駅には人っ子一人いない。
暇そうな窓口に訊けばわかるのだろうが……。窓口で近郊へのバスを訊いてみたが、バス駅からは出ていないと言われた。バス駅前の三叉路みたいなところが、近郊バスの発着場らしい。何の表示もなく、バスもいない。時間帯によってはいることもある。

町に向かって歩きながらフォー(?)

どうもフォーっぽくない。麺の色がすこし赤みがかっているし、乾麺だと思う。ベトナムのフォーもそんな風に変わってきたのか? と思っていると店の前にミニバスが停まり、どやどやと団体が入ってきて中国語で店主に注文を始めた。なるほど中国人が経営している店だったのか! とそれでわかった。うるさくなるかなと思ったが、注文が終わると15人ほどの団体は静かにスマホを見始め、静かだった。

政治色のあるものを撮影していても問題がない国に入った

別に中国でも、雲南あたりでは特に監視されていることを実感したことはない。政治スローガンを撮影しても別に平気だと思う(もちろん公安が見ていれば呼ばれて画像を消される可能性はある)。検問も公安も私の動きは全て把握しているはずなのに(違うのか?)、いつどこに入ってそこからどこへ行って……、と延々とやる。知ってるんじゃないの? と訊いてみたくなる。ベトナムも社会主義国だが、中国ほどのきつさは感じない。

36℃の暑さの中、町まで歩いて行く。かなり遠い。
国境では両替ができなかった(探してはいないが、ないと思う)(手持ちがあったのでそのまま来た)(飯屋があったので頼めばできるかも)ので、通り沿いのATMでキャッシングにチャレンジしたところ、又しても! カードが吸い込まれてしまう。呪われているのか私のマスターカード。今回は真昼間で銀行の前にあるATMだった(それを選んだ)から、すぐにカードを取り戻すことができた。何のことはない、ちょっと操作するとカードが機械から出てきた。中国のあのめんどくささが今さらながらに信じられない。
途中でSIMカードを買った。
さらに歩いて、通り沿いにあったちょっとよさげなホテルに決める。一泊55万ドン。

文字がまったく読めず、会話もまったくできず、通貨の単位が大きすぎて幻惑される、それがベトナム。

マイルストーン

夕方のハザン

歩いていたら欧米人を何人か見かけた。中国ではそういえば見なかったな、白人だけでなくアジア系もいなかった。

夜、食べに入ったフォー屋の猫

真っ白い麺の正しいフォー

店の女の子、5~6歳くらいかな、がやたらと懐いてきて困る。食堂でも宿でも、かわいがられることを前提にまとわりついてくるその家の子どもは苦手だ。
さらに店主が「グーグルマップに評価を入れろ」と言ってくるのがめんどくさかった。一応入れたけど、後日消した。グーグルマップか~。普通に道歩いてて目についた店に入る、なんていうのはもう「情報弱者」ってやつなのかねぇ。別に不味くたっていいじゃん、それが面白いと思うけど。

ベトナムのビール、ハノイとサイゴンにしてみた

グミのでっかいのみたいなやつ。ホテルのロビーに置いてあって、よほど物欲しげに見ていると思われたのか、受付嬢がバナナと一緒にくれた(^^; 缶ビールは1.2万ドン(12K)、70円くらい。

 

天保国境を越えたわけ

レアな国境を越えるのが趣味なので。

中国~ベトナム国境は、ラオカイ~河口を2度越えている。1995年頃と2009年頃。最初はベトナム→中国、二度目はその逆。
今回も昆明からベトナムを目指すのであれば、この国境が順当。

しかし、2度越えたところをまた越えるのも……、芸がない。
天保国境はベトナムのハザンに興味を持った頃から、「ここを越えられるなら面白いのにな」と思っていた。麻栗坡は辺境の小村で日曜日には市が立つというから一度行きたいと思いつつ行けなかった場所。ハザンが許可証なしで入れるようになったと知ってから、ここはぜひ通りたいと思ってきた。「国家一類」という国境なので、越えられるのではないかと思ったが確証はなかった。
尤も、確証があることばかりを追うのもつまらない(ですよね)。
コロナ禍があって中国が閉ざされてしまい、ようやく開いての今回。確実に行けるかどうかはわからなかったが、麻栗坡へ向かう時の検問を通れたことで、通過できるだろうと確信できた。

実際には麻栗坡は既に辺境の小村などではなく、大きな街になっていたし、ハザンも完全にオーバーツーリズムになっていたわけではあるが。
でも越えたかった国境を越えられたので満足である。

(つづく)

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